投稿者:池畠 悠 所属塾:みやうち塾 閲覧数:296
投稿日時:2020年6月14日15:33
最終閲覧日時:2025年11月24日8:50
今回は授業内容についての記事。
この記事を読めば、なんで歴史を勉強するのか、少しは分かっていただけるのではないでしょうか。
先日、デフレ、インフレの授業をしたあとで、こんな質問を受けました。
「インフレ、デフレについてはよくわかりました。
そうすると、今、定額給付金が払われたりしているし、日本はインフレになってしまうのですか?」
この質問をしてくれたA君は授業内容をしっかり理解できています。
今の日本は、低金利の貸付に補助金、給付金と、お金をバラマキまくっています。
そうすると、普通に考えればインフレが起こる。
第一次世界大戦後のドイツのようになってしまうのか、と思うと思います。
しかし、実際問題、日本はインフレになっていません。
それどころか、デフレになってしまっていて、お金は回っていない状況です。
では、なぜこれだけお金をまいてもデフレなのか。
何が戦後のドイツと違うのか、ということですが、
これは、ドイツと日本ではお金に対する「信用」が違うからです。
日本のお金「円」は、ものすごく信用度が高いです。
信用度が高いというのは、日本人の誰もがお金があっても意味がないと思っていないことに由来しています。
この中で、お金は全くいらない、という人はどれだけいるでしょうか?
みなさん、お金が最もほしいものだと思います。
なぜならば、日本ではお金さえあればたいていのものは手に入るから。
物はきちんと揃っていて、何かに不自由することはない。
だから、お金さえあれば何でもできるのが日本なのです。
しかし、当時のドイツは違います。
そもそも物自体がない。
物がないのにお金があったところで、何も意味はないのです。
もう一つ、円の信用度が高い理由があります。
それは、何が何でもお金を返すと国民が考えているからです。
銀行に勤めている友達に、どういう人にお金を貸すのか聞いたことがあります。
その時、彼はこう答えてくれました。
「何が何でも返そうとする人」
とにかく、お金を返そうとする意志があることが最も重要な条件で、
お金を誰も返さなくなったとき、そのお金の価値はなくなってしまいます。
逆にいえば、返そうとしている意志があれば、大丈夫だということです。
つまり、みんなが、「もうおカネなんて価値ないから、今のうちに貯金全てをお米にしておこう」
と思わない限り大丈夫だということです。
ちなみに、ものすごい勢いでお金をばら撒いているアメリカに関してですが、パウエル議長はこんな発言をしています。
「なにびとも自分に降りかかって来る試練を選ぶことは出来ない。運命、そして歴史が、試練を我々のところへもたらすのだ。我々のやるべきことはただ一つ。その挑戦に立ち向かうことだけである」
(引用:ダイヤモンド社記事)
この記事を書いているパウエルさんから、もうおかねを返さない、という意志が読み取れるでしょうか?
このように、お金を何が何でも返す、遅れてでも返すという意志が金融経済を支えているのです。
(だから、徳政令を出した鎌倉幕府は滅んでしまったのですね)
逆にいえば、お金とはそれが価値があるという意志によって作り出されたものであり、しょせんは虚構、とも思っています。
金融政策によって実生活を救える、というのはただの妄想なのではないのか、と感じることもあります。
だからこそ、リスクを負って価値を生み出す起業家こそ、最も面白い仕事なんだと思っております。
さて、最後に余計なポエムが入ってしまいましたが、(笑)
勉強することが無駄ということはないですからね。
故きを温め新しきを知る
過去から学んだことを未来に活かすことこそが、勉強の本質と思っています。